おもしろ▽△CRUX 20回
CRUX-9 「2018年、夏の猛暑の謎」にせまる
日本全国で7月から気温が35℃以上を越える異常事態になっています。
総務省消防庁の7月31日の発表では、熱中症の症状で4月30日から7月29日に救急搬送された人数が5万7534人になり、昨シーズン(5月1日~9月30日)の5万2984人を既に上回り、死者は125人とのことです。
これだけではありません。他の異常も列記します。
[1]特徴 ①猛暑 ②西日本豪雨 ③台風12号の迷走 ☆アメリカのカリフォルニア州でも猛暑で、7月末に多数の山火事が発生しています。 ☆この謎については、気候を世界的に考えないと、答えは見つからないと思いました。 そこで考えたのは、エルニーニョとラニーニャの現象です。「エルニーニョ」はスペイン語で「男の子」、「ラニーニャ」は「女の子」という意味で、まさに陰陽ですね。 では、今年はどちらの現象なのでしょうか? それはラニーニャ現象の方です。 この時には、日本では夏が暑く、冬が寒いからです。 気象庁によると、去年(2017年)の秋からラニーニャ現象が発生しているとのこと…なるほど、今年(2018年)の冬は特に西日本が寒く、東京でさえも1月には大雪の日がありましたね。 我が家では毎年3月に「梅見」に行くのですが、お彼岸に花見に行ったら、なんと「雪見」になってしまいました。 [2]ラニーニャ現象とは? 赤道付近のペルー沖から中部太平洋にかけて、数年に1度、海水温が平年より低くなる現象です。 Q: 海水温が低くなるのに、なぜ日本は暑くなるのでしょうか? A: ポイントは貿易風です。 赤道付近の南米ペルーから吹く貿易風が強くなると、暖かい海水が西に寄せられます。日本はペルーの西にあるので、海水温が上昇し、気温も高くなります。 (出所:海の基本講座Umidas#005海流) Q: なぜ豪雨になるのでしょうか? A: 同じく西にあるインドネシアやフィリピン付近での太平洋高気圧が強まり、積乱雲が発生しやすくなります。日本にも、その影響でスコールのようなゲリラ豪雨が降るようになるからです。 Q: 台風12号が迷走(逆走)したのはなぜでしょうか? A: 貿易風が強くなると、緯度30°~60°に吹く偏西風が蛇行しやすくなり、大陸から高気圧(チベット高気圧)が張り出してきます。その高気圧に北上を妨げられ、東にあった低気圧にも進路を阻まれ、通常とは逆の方向に行かざるをえなくなったのです。さらに、通常は、台風一過後は晴天になるのに、大雨をもたらしたのも、そのためかと考えられます。 ☆以上、今年の夏の特徴は、ラニーニャ現象で説明できました。 ☆ただ、気になるのは、7月末に大接近した火星のことです。海の潮の満ち引きは月に関係するのですから、気象観測始まって以来のことが起こっているのには、火星が影響しているのではないかと思いました。 [3]火星大接近に関する考察 ラニーニャ現象やエルニーニョ現象は数年に一度は起こるのですが、これほど異常なのは、やはり、何か関係しているのではないかと思います。 火星の「大」接近は、15~17年ごとにあるそうですが、今年は特別で、5月には木星、6月には土星の大接近がありました。 (出所:国立天文台) 南の空の方向を見ると、確かに3つ並んでいます。これは約1世紀ぶり、大正(1922年)にもあった珍しい現象です。 そこで、この年の気象を調べてみました。 1月に、東日本南東部で「冬台風」がやって来たそうです。紀州灘(なだ)を進み、潮岬を経て、房総半島に上陸し、負傷者174人の大きな被害を出したとのことです。 この時は、冬の方が強かったのかな~?と思いますが、異常気象のデーターをさらに見ると、その次の年の大正12年、8月の東京は、異常な高温と連日の雷や発光現象で異常な天候が続いた、とあるではないですか。 「大正12年」は、「関東大震災」が9月1日に起きた年です。 なにか、イやな予感がして、もしかして、「阪神淡路大震災」と「東日本大震災」の気候も調べてみました。 (1)阪神淡路大震災 23年前 1995年の1月に発生 その前年は1994年です 天候 冬…関東から九州地方の広範囲で大雪。東京は25年ぶりの積雪が23cm。 夏…記録的な猛暑となり、西日本は9月以降も続いた。 ⇒ラニーニャ現象 天体 シューメーカー・レヴィ第9彗星が木星に衝突 (有名なハレー彗星が近年接近したのは1986年。この前年にはやはりラニーニャ現象で、日本海側で猛暑になり、多くの台風が接近、上陸した) (2)東日本大震災 7年前 2011年の3月に発生 その前年は2010年です 天候 冬…1月下旬から2月上旬に強い寒気団が流れ込み、北海道、東北、北陸中心に風雪被害をもたらした 夏…観測史上最も暑い夏となり30年に1度の異常気象と認定。その年の漢字は「暑」 ⇒ラニーニャ現象 天体 1月、アフリカやインド洋で、7月には南太平洋などで皆既日食が観測 (前年、2009年には、日本の屋久島、種子島など、天候に恵まれないところもあったが、観察された。震災の翌年、2012年には本土の西側中心に観測され日食グラスが爆発的に売れた。) (出所:国立天文台)
☆以上のように、2つの大きな震災の前の年には、ラニーニャ現象があり、天体でも特別な現象が起きています。
☆皆さんに不安を与えているわけではありませんが、もしかしたら、来年に何かしら大きな災害があるのではないか…と危惧してしまうのは考えすぎでしょうか…。
お騒がせして申し訳ありません。
何事もないように祈ります。
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