第14回 マクロビオティックに出会う
6 不思議な国のアリス(!?)体験始まる!
案内された部屋は二人部屋で、すでにお一人母と同じぐらいの年配の女の方がいらっしゃいました。
煙は、その方が何やらされているために立ち込めているのだと知り、この方と同室なのか…と「どん引き」してしまいました。
けれども「どん引き」したままでいるわけにもいかず、母の持ち物をベッドのそばに置き、まず必要な物の買い出しに行くことにしました。
右も左もわからない場所で、あいにく雨降りで自分の心も雨降りでした。
ようやく買いそろえて病室へたどり着くと、看護士さんから、その品々で手当てをするやり方を教わりました。
まず、生姜の皮をむき、フードプロセッサーですりつぶし、作ってきた布袋にそれを入れて汁をしぼり出します。
次に里芋の皮をむき、同じくすりつぶし、ゴムべらでそれを布地につけて湿布を作ります。
こんにゃくを鍋で煮てタオルに巻き、作ったしょうが汁をしみ込ませた布地をお腹に当てた上にそのこんにゃくをのせます。
最初は熱いのでタオルで調整しながら、ベッドに横になっています。
冷めてきたらそれをはずし、里芋の湿布を当て腹帯を巻いたら、ベッドから起き上がれますが、3時間はそれを着けている、ということでした。
それはまるで調理実習(!)のようで、母も私も「てっ!」とNHK朝ドラの「花子」状態でした。
その手当てを毎日2~3回するように、と看護士さんは言って立ち去ってしまいました。
マクロビオティックでは基本の手当て法ですが、当時の私たちにとっては驚くばかりで、頭がパニクってしまい何が何だかわからなくなってしまいました。
それを見かねてか、怪し気に思われた同室の方が「皆、はじめはわからないのよ。私がやるのを見ててね」と、親切に教えて下さいました。
そして、煙は「ビワ葉温灸」ということも教えて下さり、怪し気に思ったことを心の中で反省いたしました。
「この病院は自分の好きな自然療法を自由にできる」ということで、東城百合子さんの本を貸して下さいました。
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