第12回 食養の陰陽-「五味」について③

相生の関係

(1)    木-肝・胆  【酸】

  からの援助

塩辛い、という意味なので、塩分(ナトリウム)を考えてしまいがちですが、 ミネラル と考えて下さい。

五行の関係では 木 にミネラルの肥料を与えるということです。

実際に畑の三大肥料は、チッ素、リン酸、カリウムというミネラルですよね。

前回では塩分のことしか言及しませんでしたが、他には海そうがあります。

 海そう はミネラルの宝庫で、現代の私たちが不足しがちなカルシウムやマグネシウム、鉄などを多く含んでいます。

なのに今の食事では、せいぜい焼のりかみそ汁に入れるわかめぐらいでしょうか・・・。

それは、ナゼか…。

①    食卓の欧米化
②    昆布で「だし」をとらず、「だしの素」を使っている。
③    乾物になっているとすぐに調理できない。

などの理由からだと思います。

日本人のミネラル補給は海そうです!

決して牛乳やレバーではありません!

役に立たないカルシウムだけが多い牛乳、半病気の動物のレバー、それを食べて健康になると思いますか?

 

(2)    火-心蔵、小腸  【苦】 

 酸 からの援助

心臓は血液循環の要(かなめ)

小腸は消化活動の要です。

どちらも常に活発に動いていないと生死に関わりますから、エネルギー補給は大切です。

そのエネルギーを作り出す代表が「クエン酸回路」ですね。

五行の関係では 火 に木の燃料を与えるということです。

だから「お酢は体にいいですよ。」とお酢を飲むことが勧められ、「ソムリエ」ならぬ「酢ムリエ」なんて人も登場しましたね。

でも4月にも書きましたが、お酢の強い酸味が弱い人もいるので、自然の酸っぱさの 柑橘類 がいいでしょう。

そしてもう一つ、忘れがちな酸味があります。

それは発酵菌によって作られた食品で、代表は 漬物 です。

日本は漬物大国で、その土地ならではの特色ある漬物がたくさんありますね。

恥かしながら私は嫁入り前に、漬物をしたことがなく、「ぬか床に手を入れられない!」とか、「漬物よりサラダよ!」という人でした。

ところが嫁ぎ先のここは「毎食漬物を食べる家」で、漬物作りに四苦八苦してきました。

今ではそれが幸いして、マクロビ料理作りにはスムーズに転換できました。

主人がマクロビ料理がキライでも長持ち(!笑)していいるのは、和食好きで、漬物好きだからと思っています。

 

(3)    土-脾(胃、膵臓) 【甘】

 苦 からの援助

穀物は甘いので、どうしても食べすぎてしまいます。

自分史でも今後書きますが、マクロビ食を始めて胃腸が快調になってくると、食欲も快調になり、食べても、食べても満足感が味わえず、いけないと知りつつも、いつも食べすぎていました。(厳密には今でも食べすぎているのですが…泣)

なので食後は体が重くなり、さらには眠気にも襲われ見ているTVドラマの内容の真ん中がいつも抜けおちてしまう悲劇的(!笑)状況でした。

こういう自分にイヤ気がさし、ストレスとなっていましたが、五行の勉強で苦みが食欲を抑えると知り、「あっ!そうだ」と思いつきました。

それは「食後のお茶」を今までよりもずっと濃くして苦くしたらどうかということです。

腹八分目のところで(イヤ、九分目?)、濃いお茶を飲んだところ、やっと満足感を得ることができました!

今の私は、濃い麦茶か、黒炒り玄米茶がお気に入りです。皆さんもいろいろなお茶を試してみて下さいね。

なんか前おきが長くなりましたが、つまり食べすぎしやすい脾を食べすぎないように助けるという考え方なのですが、よろしいでしょうか?

五行の関係では、火で燃えた木が灰となって 土 の養分になったと考えて下さい。

 

 (4)    金-肺・大腸  【辛】 

 甘 からの援助

肺や大腸は「潤い」が大切です。

冬の乾燥期にカゼやウィルスにやられないように加湿しますが、それは 肺 を守るためです。

  大腸 も潤っていないと便秘になります。

甘味がその潤いのために保湿をしてくれるわけなのですね。

五行の関係では、土の成分が長い年月の間に様々な 金 属になるということです。

辛味に甘味を加えると味がまろやかになり、食べやすくなりますよね。

それなので、ほとんどの加工食品には、甘味の添加物が入っています。

せめて自然な甘味料ならいいのですが、化学物質に近いのもはアレルゲンとなります。

秋の優しい辛味には、加工した強い甘みはいりません。

 

(5)    水-腎臓・膀胱  【鹹】 

 辛 からの援助

単に味噌やしょう油、塩の味付けだけよりも辛味のある醤(ジャン)のようなタレやカレーのようなスパイシーなルーなどの味付けもたまには食欲をそそられていいですよ。

4月に辛味の効用の1つとして「発散」も掲げ、排泄作用を書きましたが、腎臓も老廃物を尿として排泄する器官ですから、辛味は大切な助っ人です。

激辛が好きな人は体内にゴミが多いから出したいという体の自然な要求なんですよ。

五行の関係では、降った雨が 地下水 となり、地中の金属成分(ミネラル)をもらいながら、おいしいミネラルウォーターができ上がるということです。

一昔前では水が売れるというのは考えられませんでしたが、今では当り前で、東日本大震災には都内の店に水がなくなるという珍現象が起きたぐらいですかから、時代が変われば変わるもんですね。

 

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