第15回 マクロビオティックに出会う

7 ▽と△の不思議なマクロビオティック国への入国

付き添いの私は病院には泊まれず、前回泊まった旅館に寝泊まりすることになりました。

母の就寝の用意が終わってから、病院で自転車を借りて帰る、という日課のはじまりです。

暦は11月なので、秋風が吹く・・・というよりも初冬の冷たい風が吹き・・・
タオルをマフラーにし、100円ショップで買った手袋をし・・・寒さが不安と心細さを一層つのらせました。

一人ポツネンと旅館の部屋で寝ていると、離れてきた家族を思い出し、やるせない気持ちにもなりました。

でも、ここでやめるわけにもいかず、性格的にもあまりクヨクヨしないタイプなので、「不眠」の心配よりも「寝すぎ」の心配(笑)をして、しっかり目覚まし時計のスイッチをセットしました。

起床して病院に行ってからの日課は、まず母に体温を測っておいてもらうと、看護士さんが来て、脈をとったり、様子をきいたりします。

食事は1日2回で、午前10時~と午後4時~にあります。

メニューはもちろん「玄米菜食」で、1口50回以上噛むように言われましたが、30回ぐらいで飲み込みそうになり、のどから戻したりして大変でした。

また、退院後の食事作りの参考に、とメニューをメモしておきました。

私は一応、通常の活動をするので、2食だと間隔はあいているは、お腹は空くは、で調理場から小豆を煮たり、天ぷらを揚たりの匂いがすると、「ヤッタ―!!今日はごちそうだ!」と感激しました。

手当をしてあげて母が横になっている時には借りた「自然療法」や本棚にある本を読みました。

そこにある本は「新しき世界へ」という月刊誌が多く並び、興味をひかれる内容のものから読んでみました。

「陰」とか「陽」、「中庸」とかいう文字やとかいう記号など見慣れないものがあり、食物によって、病気になったり、治ったり、人生が良くなったり、悪くなったりする、というようなことが書いてありました。

桜沢とか大森とかいう先生の話しが毎回載っていました。

専門的で難解な科学的、哲学的な話しがあると思えば、宗教や易など霊的な話しもあったりして、アリスが不思議な国で不思議なキャラに出会うような気持ちで読みました。

まさか、そんなマクロビオティックの世界に入って、皆さんにお伝えすることになろうとは、当時の私は思ってもみませんでした。

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