第11回 食養の陰陽-「五味」について②

旬の食材との関係

(1)    春-肝・胆  【酸】

春の食材で酸っぱいものは何でしょうか?

まず、お歳暮に頂くことが多いみかんから始まり、ゆず、すだち、きんかん、などの柑橘類です。

みかんやきんかんはそのまま食べれますが、ゆずやすだちはしぼって魚介類などにかけることが多いですね。

あっ、かけるといったらレモンもありますね。

食肉と相性が良いのは、レモンがより酸味が強いからでしょう。

まさに陰陽の相性です!

このことで有名な話しが「壊血病」ですよね。

原因の究明でビタミンCなどの栄養素の研究が広まりました。

今でも「ビタミンCの神話」が続いていて、果物を毎日食べましょうと宣伝されていますが、陰陽を知らないとこのワナにはまり、果物で病気になってしまう人もいるんですよ。

 

(2)    夏-心、小腸  【苦】 

夏の食材で苦いものは何でしょうか?

「ニガウリ!」とまさにその名のとおりに即答されそうです。

今ではすっかり有名になった沖縄特産のものですが、日本の各地にある苦いものは、春からのヨモギやフキノトウなどの山野草(ハーブ類)やウドやワラビなどの山菜ですよね。

「苦い」というのは、五味では陽性の分類になるのですが、山野草は野菜の中では陰性のエネルギーがダントツに強いです。

例えば「タケノコ」の成長スピードの速さはよく知られていますよね。

私は群馬の山間の村に住んでいますので、近所の方に山菜を頂き、よく天ぷらにします。

フキノトウの苦さは強烈ですが、初めて食べた自生の「たらの芽」は、あまりの美味しさに感動しました。

陰性さを高温の陽性の調理で中庸にするからですね。

料理って、陰陽のバランスの不思議ワールドでしょ!

 

(3)    晩夏-脾(胃、膵臓) 【甘】

この時期に実りをむかえる穀類の甘みは、噛めば噛むほど甘くなります。

肉は噛めば噛むほど筋っぽくなって味気がなくなるので、サッサと飲み込んでしまいますよね。

だから、というわけなのかどうか、早食いの人は陽性といわれています。

マクロビの食べ方として「100回ぐらい噛みなさい」と言われ、そのとおりにしていたら眠くなってしまったという話をきき、遅食いは陰性なんだなあ、と思い笑ってしまいました。

私もマクロビを始めた頃は100回をめざしてカンバリましたが、どうしても50回ぐらいが限度で、それがかえってストレスで食事が楽しくなくなりました。

さらに玄米にこだわりすぎたのも知らず知らずに体にストレスをかけていました。

このことについては自分史に書くつもりでいますが、「マクロビ難民」の話しをする時に、その理由を詳しく述べたいと思います。

 

 (4)    秋-肺・大腸  【辛】 

「辛い」といえば、まっ先に真っ赤な「唐辛子」を思い浮かべます。

私は若い頃から辛いものは苦手な上にマクロビを始めてから「辛」は陰性と知り、「陰性は良くない」と思い込んでいたため、辛いものは一切摂らないできました。

けれども五行の勉強をするうちに秋の食材の大根やねぎ、しょうがなどの「優しい辛み」が大切と知り、実際にそれがとても美味しくて、毎食欠かさず食べるようになりました。

陰陽だけで判断すると決めつけてしまう危険性があるということを認識してからは、五行の勉強をしなければいけないと思ったのは、こんなことからというのもあります。

余談ですが、私の住む南牧村は下仁田町の隣りにあり、「下仁田」といえば「ネギ」と「こんにゃく」が有名なんですよ。

「下仁田ネギ」は、ネギの王様で値段も高いことで有名でしょうけど、それには訳があるんです。

ここの特有の土と気候でしか育たないという希少価値というこもありますが、太くするために数回植え替えをするという手間がかかる、ということにもあります。

そして、このネギを生で食べるとメッチャ辛いのですが加熱するとメッチャ甘くなります。

まさに陰陽の大逆転ですよね!

 

(5)    冬-腎臓・膀胱  【鹹】 

塩からいという名のとおり、味噌やしょう油などの塩味の調味料が代表的です。

上杉謙信が武田信玄に「塩を送った」というエピソードは有名ですし、英語の「ソルト」が「サラリー」という給金の語源になっているように、塩は私たちが生きていく上で欠かせないものです。

それなのに高血圧の原因は「塩」のせいばかりにしている医学者や栄養学者たちって「バカじゃない?」と思うのは私だけ?

ダイエットにはご飯を減らせ、高血圧にはみそ汁を減らせ、と指導する保健士たちにもウンザリです。

塩分のワナにはまらない問題についてはいろいろあると思いますが、以上の2つを掲げます。

①    動物性食品に含まれる塩分

味付けをしない肉を食べると塩気を感じないので、それ自体にわりと塩分があるという事実を多くの人は知りません。

それなのに味付けしたり加工したりして、さらに塩分を加えるんですから、どーなる?です。

動物食をやめれば、すぐに減塩です。

またまた余談ですが、うちの犬は肉なしのマクロビ犬だったので、ごはんには塩味をつけていました。

シャンプーをしなくても体臭がなく毛もフワフワでシニアになっても元気いっぱいだったのに…。道ばたの何かを食べて死んでしまいました。。。(泣く)

ペットのマクロビにいついては、いづれ書きたいと思います。

②    食品添加物のリン酸塩

ほとんどの加工品に入っています。

例えば
・食肉(ハム類)、魚肉(かまぼこ類)の加工の結着剤
・豆腐用凝固剤
・麺の「かんすい」
・酸味料   などです。

ナトリウム塩やカルシウム塩などの形で使用されています。

これが問題なのは、体内のミネラルバランスを崩すことです。カルシウムやマグネシウムなどの体内吸収を阻害し、この添加物を排泄する時に、それらのミネラルを奪って(ドロボー)していくのです。

加工食品はただでさえ味付けに塩分が使われているのに、さらにリン酸塩も添加しているんですから、どーなる?です。

加工食品をやめれば、すぐに減塩です。

食品添加物についても、今後書いていきたいと思います。

 

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